先物取引の仕訳や仕組みを分かりやすく解説するよ

   

先物取引 仕訳

先物取引の知識が固まったので、備忘録がてら記事に収めておきます。

簿記1級の大問1でも「繰越ヘッジ」と同様、ちょっとだけ出題される事が多いので、必ずマスターしたい論点の1つですね。

では、早速解説をしていきます。

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先物取引とは?

先物取引とは、「いつ、どの商品をいくらで何個買ったり売ったりするのかを約束する取引」のことです。

例えば、金(ゴールド)は、円安or円高の影響、原油価格、アメリカ経済の状況によって値段が変動しやすく、取引する人にとっては価格が安定しない分、取引しにくい品物と言えますよね。

しかし、先物取引であらかじめ値段を決めておくことで、値段が極端に変動するリスクを防げるので安心して取引することができるのです。

ただ、先物取引は本当に商品を売買することよりも、「920円で買うと約束した。でも、今は市場で1000円で売れる。結果80円の儲け、ウェーイ」と言う風に、株の取引のように投機目的で使う場合が多いです。

ちなみに、先物取引は(さきものーとりひき)と読み、英語では「dealing in futures(将来における取引)」と書きます。

先物取引の仕訳の流れ

では、先物取引の仕訳の流れを見ていきましょう。先物取引は、主に以下の4つのステップで取引が進んで行きます。

実例を交えて解説していきます。

1、先物取引の契約を結ぶ

2015年9月1日 トーマス建設は国債先物1000円(10口)を1口90円で買い建て委託証拠金を現金で50円払った。

先物取引は取引先と直接取引をするのではなく、必ず証券会社を通して取引を行います

なぜなら、取引先と直接取引してしまうと、「900円で買う約束をしてたけど、市場で800円で買えるからこの取引はなかったことにするわ」と、都合の良い時にトンズラされるリスクがあるからです。

このリスクを避けるためにも、先物取引をする前に、証券会社が仲介役となって「委託証拠金」を払うようになっています。委託証拠金とは、要は人質みたいなものですね。

なので、先物取引をする約束をした時の仕訳は、以下の様になります。

(借方) 先物取引委託証拠金 50 (貸方) 現金 50

ちなみに、買い建てとは「買う約束をする」ことです。つまり、上の文章は「トーマス建設は国債を1口90円で買う約束をした」と言い換えることができます。

また、買い建ての逆パターンで「売り建て」がありますが、これは「売る約束をする」ことですね。

2、決算時に先物取引の評価をする

2016年3月31日 決算時の国債先物の相場は、1口95円だった。

先物取引では決算時に、「この先物取引が現時点でどれだけ得をしているか(損をしているか)」の評価をしていきます

今回の取引では「1口90円で買う」と約束しました。それに対して、決算時の国債先物の相場は1口95円です。

つまり、「95円のものを90円で買える」と言うことになるので、1口5円の儲けとなり、全部で10口あるので50円だけ得していると言うことになります。

(借方) 先物取引差金 50 (貸方) 先物損益 50

先物取引差金は、この場合は「未収金(資産)」と同じような意味を持ちます。

今回の場合は「95円のものを90円で買える」ので得していますが、もし決算時の相場が1口80円だったら、「80円のものを90円で買う」と言うことになるので、全部で100円損(1口10円損)。その時は、以下の様な仕訳になります。

(借方) 先物損益 100 (貸方) 先物取引差金 50

この場合の先物取引差金は、「未払金(負債)」と同じ意味を持ちます。

ちなみに、先物取引は、損益計算書に「営業外費用or営業外収益」として計上します。

3、翌期首に評価差額を振り戻す

決算時には上記の様な仕訳をしましたが、翌期首には、決算時に行った仕訳と正反対の仕訳を行い、帳消しにします。

(借方) 先物損益 50 (貸方) 先物取引差金 50

4、先物取引の決済を行う

2016年5月2日 国債先物の相場が1口100円になったので、反対売買による差金決済を現金で行った。

現在の国債先物の相場が1口100円なので、このタイミングで国債先物を売れば、「1口90円で買う約束をした国債を1口100円で売れる」と言うことになります。つまり、全部で100円の儲けです。

(借方) 現金 100 (貸方) 先物損益 100

また、先物取引を始める前に、人質として証券会社に「先物取引委託証拠金」を払っていましたね。先物取引が正式に完了した後は、きちんと委託証拠金を返してくれます。

(借方) 現金 50 (貸方) 先物取引委託証拠金 50

なので、先物取引の決済時には上の2つの仕訳を合わせて、以下のような仕訳になります。

(借方) 現金 100 (貸方) 先物損益 100
     現金  50      先物取引委託証拠金 50

先物取引は、以上の様な流れで進行し、仕訳をしていきます。

聞き慣れない専門用語が多く出てきましたが、理屈さえ分かっていれば、かなり理にかなった取引の流れと言うことが分かりますね。

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