『社会調査のウソ』の要約と感想を書いてくよ

   

社会調査のウソ 要約 感想By: Chip Griffin

「今の時代は情報化社会やで」と言われて久しくなっていますが、未だにボクたちは、この高度な情報化社会を生き抜く方法を完全に身に付けていない気がします。

例えば、テレビの「○○の70%が」とか「今話題の」と言うワードにすぐに反応してしまうし、ラッスンゴレライは反日と言うのを真に受ける人もいるぐらいです。

だからこそ、今からでもこの情報化社会を正しく生きる術を改めて学習する必要があります。

そこで今回、ボクが読んだのが『社会調査のウソ』と言う新書です。

本書は、読みやすさ・面白さ・奥深さの三拍子が揃った良書なので、その要約と感想を書いていきます。

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『社会調査のウソ』の要約

この本は少々過激な内容である。(中略)

もう一度お断りしておくが、過激な内容につき、ずさんの調査(すなわち「ゴミ」)をまき散らしている人々のうち、血液の高い人は読まない方が無難である。

「社会調査のウソ」p.7

いきなり著者の宣戦布告から始まるのは、新書としては珍しい感じがしますが、著者によると、本書は以下の5つに要約できるようです。

  • 世の中の「社会調査」は過半数がゴミ
  • ゴミは引用されたり参考にされることで、新たなゴミを生み出す
  • ゴミが作られる理由が存在する
  • ゴミを作らせないための方法を身に付ける
  • ゴミを見分ける方法を学ぶ

初っ端から「ゴミ」と言う言葉を連発していますが、著者がずさんな社会調査に怒りをぶちまけているのが、この要約を見ただけで分かります。

特に5番目の「ゴミを見分ける方法を学ぶ」と言うのが参考になって、本書を通して「とりあえず、何でも疑ってみる」と言う重要性に気付かされました。

女性の社会進出のゴミ調査について

女性の社会進出 By: University of Salford Press Office

本書「社会調査のウソ」では、様々なゴミ調査の例を紹介しており、その調査のどこの部分がゴミなのか?と言うのを問題形式で丁寧に紹介しています。

例えば、「女性の社会進出」についての調査。「仕事」と「女性」を組み合わせると、なぜかこんな調査結果が多くなりますよね。

労働省が1994年3月29日に発表した、総合職の女性に関する調査がある。新聞記事を見ると、「総合職女性6割『昇進など不利』/8割が『能力発揮』『仕事続けたい』7割」などの見出しが目に止まる。

「社会調査のウソ」p.29

こんな記事を見ると、ボクの様に素直な人は「女性がかわいそうや、男女平等を目指すんや」とすぐに思いがちですが、この調査では致命的な欠陥があるのです。

ところが、これらの3つの調査には致命的な欠陥が存在している。それは「比較の対象が存在しない」ということである。例えば労働省の調査によれば、総合職の女性の6割が「昇進など不利」と考えているとあるが、もし男性の7割が「昇進など不利」と思っていれば、総合職の女性の不満は男性に比べて少ないということになる。

「社会調査のウソ」p.31

言われてみれば、この手の調査はいつも女性に注目がいきますが、男性についても調査したデータはあまりない、と言うことに気付かされます。

と言うより、少なくともボクの周りでは、「金があったら仕事を辞める」と考えている男性は多いし、女性の方でも「夫の収入だけでは苦しいから働く事にした」という消極的な考えで働いている人も多いです。

じゃあ、この「女性の社会進出」をテーマにした調査に何の意味があるんだ、と言う気しかしなくなりました。

ゴミはゴミなりに努力している

ゴミを生み出すPhoto by Drew Coffman

そもそも、なぜこのようなゴミ調査が生まれるのかと言うと、本書では「調査をする人間が、自分の意見を正当化する根拠がほしいから」ゴミが生まれるのだと言っています。

例えば、上記の「女性の社会進出」の場合は、調査する人間が、もっと女性が仕事をする社会になってほしい、と言う考えがあるから、こんなゴミ調査が生まれたと言うことになるんですね。

ですが、このゴミ調査の結果を読者に強く印象付けるために、ゴミ生産者はあらゆる手段を使ってきます。いわゆる、『印象操作』と言うのを行います。

印象操作とは?

印象操作とは、言葉や写真を使って読者に強く印象付けをさせるテクニックのこと。例えば、選挙の結果の記事とかだと、このような印象操作になります。

同じ内容の記事であっても、「4割が反対」と書けば「反対」が強調されるし、逆に「6割が賛成」と書けば「賛成」が強調される。

「社会調査のウソ」p.80

他にも、写真でも印象操作を行うことができます。

例えば、「サッカー日本代表、オランダ相手に引き分け」と言う見出しがある記事に、本田が希望に満ちた顔の写真が貼られていたら「オランダに引き分けは凄いのか」と言う印象を抱くし、逆に本田が絶望した顔の写真が貼られていたら、「オランダに引き分けはないわ」と言う印象を受けますよね。

まとめ

今年に入って、一番タメになった新書かもしれません。疑いの目でニュースを見ると、間違い探しのようで面白かったりします。

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