マタイ系図とルカ系図の大きな違いは、マタイ系図がイエスからアブラハムに至るのに対し、ルカ系図はイエスからアダムに至るということです。
聖書では、イエスの系図はマタイ1章とルカ3章23~38節に記されています。
マタイの系図はアブラハムから始まるが、ルカの系図はアダムから始まる。
アブラハムとダビデの間は同じ名前であるが、それ以降は根本的に異なっている。
また、ダビデからヨセフまで、マタイでは二十七世代、ルカでは四十二世代となっているが、両者の名前の重複はほとんどない。
マシューの系譜とは
マタイによる系図は、次の言葉で始まります。
「アブラハムの子ダビデの子メシア・イエスの系図書」(マタイ1:1)。
この冒頭からマタイはイエスをイスラエルの物語にしっかりと根付かせようと考えていることがわかる。
アブラハムとダビデ、すなわち、神が異邦人を祝福すると約束した国家の父とされるアブラハムとイスラエルの第二の王であり、その血統はバビロン追放までユダを支配したダビデに焦点を合わせているのです。
系図の最後のコメントには、この流刑のことがはっきりと書かれている。
「アブラハムからダビデまでは十四代、ダビデからバビロンへの追放までは十四代、バビロンへの追放からメシアまでは十四代」(マタイ1:17)であった。
マタイはイスラエルの歴史を、ダビデまでの前王政期(2-6a節)、ダビデ以降のダビデ王政期(6b-11節)、そして追放からメシアまでの時代(11-16節)に大きく分けている。
前二者の名前あるいは人物は、主にイスラエルの歴史の一端を思い起こさせるものです。
また、マタイの系図は、イエスがダビデ王の子孫として期待される待望のメシアであることを提示している。
ルークの系譜とは?
ルカ系図は、イエスからアダムまでの系図をたどるものです。
ルカ福音書では、イエスの公生涯の始まりから始まり、ヨセフからアダムへと昇順に系図が記されています。
ルカ3:23-38には、「イエス自身は30歳くらいになり、ヘリの子ヨセフの子であり、…」(3:23)とあり、「神の子アダム」まで続いています。
この記述から明らかなように、ルカ系図はマタイ系図とは異なるものです。
しかも、この違いには多くの説明があります。
ある学者は、ルカの系図はマリアの血統を記録したものであり、マタイはヨセフの血統を記録したものだと考えている。
この説によれば、ルカ系図はダビデの子ナタンを経てマリアの系譜をたどり、ヨセフはヘリの娘であるマリアと結婚したので「ヘリの子」と呼ばれるようになったという。
マタイ伝とルカ伝の違い
定義
マタイの系図はヨセフからアブラハムに至るイエスの系図を指し、ルカの系図はヨセフからアダムに至るイエスの系図を指している。
はじまりと終わり
マタイはイエスからアブラハムまでの系図を、ルカはイエスからアダムまでの系図をたどっている。
世代数
マタイ伝では、ダビデからヨセフまで27代ですが、ルカ伝では42代です。
ジョセフの父
マタイはヨセフの父をヤコブとしていますが、ルカはヨセフの父をヘリとしています。
ダビデの息子
マタイはダビデの息子ソロモンを通して血統をたどっているが、ルカはダビデの息子ナタンを通して血統をたどっている。
母系
ルカの系図はマリアの血統を記録したものであり、マタイはヨセフの血統を記録したものであると考える学者もいる。
結論
マタイはイエスからアブラハムまでの系図を、ルカはイエスからアダムまでの系図をたどっている。
マタイの系図ではダビデからヨセフまで27代であるが、ルカでは42代です。
これがマタイとルカの系図の大きな違いです。