簿記の勉強を始めた人や個人事業主の多くが、「減価償却費とは何なのか?」と言うのに頭を悩ませているのではないでしょうか?
ボク自身も簿記の勉強を始めたころは、理解してないけど計算の方法は暗記していただけでしたが、最近になって「減価償却費の真の意味」が分かってきたので、紹介していきます。
ぜひ、参考にしてください。
減価償却費の3つの役割
減価償却費と聞くと「何それ?」と言う感じですが、じつは減価償却費には、大きく分けて以下の3つの役割があるのです。
1、建物とかの固定資産を費用にする
例えば、あなたは「工場で使う機械を400円で買った」とします。
もちろん、あなたはこの機械を利益を上げるために買ったわけなので、この機械を費用として計上するのが理にかなっていますよね。
しかし、簿記・会計の世界では「機械を400円で買った」と言う事実は、以下のように仕訳を書くように決まっています。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
機械 | 400 | 現金 | 400 |
簿記の仕訳では、左側に増えたもの、右側に減ったものを書いていくルールがあります。
なので、ここでは「4000円の機械が増えて、400円の現金が減った」と言う事実を示しています。
(注:仕訳の書き方には、他にも色々なルールがあります)
ただ、この仕訳だと、「機械と現金の物々交換をした」と言う事実だけが記録されるだけで、肝心の「機械を買うのに400円の費用がかかった」と言う事実は記録されないのです。
そこで使うのが、「減価償却費」です。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
減価償却費 | 400 | 減価償却費累計額 | 400 |
と言う風に「減価償却費」を計上することで、「機械を買うのに400円の費用がかかった」と言う事実を仕訳として、書くことができるのです。
2、固定資産の費用計上を分割できる
上の例では減価償却費を一気に400円計上していますが、実際は、減価償却費を5年とか10年に渡って少しずつ費用として計上していきます。
なぜなら、建物や機械などの固定資産は、基本的には何年も同じものを使い続けるわけなので、「機械を買った最初の年に費用400円を計上して、その後の2年目、3年目の費用はゼロ」と言うのは、合理的な会計処理だとは言えないからです。
だから、固定資産を「減価償却費」として費用化するのは、長期間かけてバランスよく行うのが自然です。
例えば、「400円の機械を5年に分けて減価償却費していく」となると、毎年の期末に以下のように仕訳を書いていきます。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
減価償却費 | 80 | 減価償却費累計額 | 80 |
(注:「減価償却費累計額」とは、言葉の通り、今までの減価償却費の合計を示したものです。
3、固定資産の現在の価値を知ることができる
建物や機械は何年も使っていると古くなってきて、価値が下がってきます。
では、どれぐらい価値が下がったのかの目安として、減価償却費は使われることがあります。
例えば、「400円の機械を買って、1年目に80円、2年目に80円の減価償却費を計上した」とします。
1年目、2年目で減価償却費を80円ずつ計上しているので、合計160円分だけ機械の価値が下がっていると言えます。
つまり、現在の機械の価値は240円と言うのが、会計を通して分かるのです。
このように現在の固定資産の価値が分かることで、「この建物を売ったほうが得なのかどうか?」等の経営判断の基準にすることができます。
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