あなたは、四間飛車で斜め棒銀や居飛車穴熊なら対抗できるけど、「右四間飛車」が相手であれば、なす術もなく負けてしまうのではないでしょうか?
しかも、相手の右四間飛車は、いつも同じ攻撃パターンをしてきますから、負けた時には怒りが込み上げてきますよね。
しかし、安心して下さい。
これから紹介する「四間飛車で右四間飛車を倒す方法」を実践すれば、互角以上の戦いは必ずできます。
ぜひ、参考にして下さい。
右四間飛車[急戦型]には3つの対策を意識して戦う
右四間飛車には、すぐに戦いを起こす急戦型と穴熊や左美濃に組む持久戦型がありますが、まずは急戦型の対策から。
現在の1図の局面は、先手が▲37桂と右四間飛車での攻めを見せている局面です。
右四間飛車からの攻撃で一気に潰れないようにするためには、四間飛車側は、以下の3つのポイントを抑えておく必要があります。
- 銀を54に上がらせておく
- 左の金は41の地点で待機
- 先手が▲37桂とした後に△12香と香車を上がらせる
なぜ、この3つが重要なのかは、下図の局面から少し進むと、その理由が分かります。
1図からの指し手
△12香▲25桂△24角▲45歩△同歩▲11角成△31金(2図)
△12香と香車を上がらせて金を41で待機させておくことで、たとえ先手に馬を作られたとしても、△31金とすることで桂や香を取られません(12の香は42の飛車が守ってくれている)。
1図以下は、もし先手が▲88玉などと自玉を固めて待機してくれば、△46角とすることで、相手の飛車先を重くしつつ角を成るようにすれば、自然と有利になります。
△46角の後に、▲33桂成△同桂▲同馬と飛車を取られそうになっても、後手玉は飛車からの攻撃に強い形なので、問題ありません。
もし、1図で先手が攻め続けるのであれば、▲55銀ぐらいしかないですが、△同銀▲同馬△46角(3図)としておけば良いです。
(Bonanza評価値-555。
3図以下は、▲66馬△19角成▲33桂成△同桂▲同馬△46香としておけば、今後は飛車の取り合いが予想されるので、その展開になると玉の堅さに分がある後手が自然と勝てるようになります。
右四間飛車【穴熊編】の対策
右四間穴熊は、アマチュア間では最強の戦法の1つと言っても過言ではないでしょう。
先ほどの、急戦では12香と41金がいれば受け切れましたが、穴熊だと少々無理して攻めても十分に成立してしまいます。
なので、穴熊対策としては、四間飛車側は以下の2つのポイントを抑えましょう。
- 相手に穴熊を完成させない
- 相手から攻撃をさせず、自分から仕掛ける
早速、具体例を見ていきましょう。
上の4図は、先手が▲98香~▲68金寄と穴熊の意志表示をした所です。
ここまでの後手の駒組みのポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
- △54銀と上がっておく
- 左側の金は41に待機させる
- △64歩と突いている
54銀と41金は急戦編と同じなので良いですが、相手が穴熊で来る可能性が高まったら、△64歩と突いておきましょう。
4図以下の指し手
△65銀▲同銀△同歩▲99玉△85銀(5図)
85に銀を打って、相手の角をいじめるのが狙いです。
右四間飛車の攻撃のキーマンは角ですから、そこを抑えておくだけでも今後の展開が全然違ってきます。
その後は、△78金寄▲76銀△55角▲63銀のように、角をいじめつつ、相手に攻めを催促させるような展開にすれば良いでしょう。
右四間穴熊:▲66歩とした場合
右四間穴熊としては、後手に△64歩~△65銀と角頭の歩を狙われる展開が嫌でした。
なぜなら、この展開になれば、穴熊が組めない可能性があるし、相手から攻められる形になるからです。
と言うことで、右四間穴熊側が今度は▲66歩と工夫をしてきた時の四間飛車側の対策を紹介します。
▲66歩は後手にとってはありがたい手
後手としては銀の進路を防がれた嫌な手に見えますが、実は▲66歩と突かせることで後手がかなり得をしています。
急戦型で紹介しましたが、右四間飛車は角のラインを活かして飛車・銀・桂で攻める戦法です。
なので、先手が自ら▲66歩とするのは、自分で攻め味を消していることになるんですね。
それに、67の地点が空くことになるので、将来的には△67香とか△67桂みたいな穴熊崩しもできるようになっています。
なので、後手としては6図からは銀冠に組んで、隙あらば攻めると言う感じが良いです。
6図以下の指し手
△52金左▲99玉△74歩▲88銀△63金▲79金△95歩▲68金右△73桂▲36歩△84歩▲37桂△83銀▲78金右△72金▲16歩△14歩(7図)
7図では先手も相当手を作りにくい局面に入っています。
例えば、▲25桂は△24角でダメ(角が57の地点を睨んでいて▲45歩と突けれない)。
▲45歩△同歩▲同銀と言う攻めも考えられますが、ここで△55角(変化A図)が味の良い飛び出しで、やはり先手の攻めは不発です。
かと言って、7図で▲68金右みたいな手待ちをするのは明らかに変な手で、先手としては7図で駒組みの完成度が頂点に達しているので、本来は攻めらないとおかしいのです。
だから、▲66歩とするのは後手が作戦勝ちになりやすく、先手としては避ける傾向があります。
まとめ
以上で、四間飛車の右四間対策の解説を終わりますが、こうして見ると、右四間飛車が相手でもしっかりとした対策を準備しておけば、有利もしくは互角以上の戦いができます。
他にも色々な形がありますが、基本的には「右四間側の角と桂の有効に活用させない」「穴熊をできるだけ弱体化させるような駒組みを強要する」ことを頭に入れておけば、戦いの方針に迷うことはありません。
この記事を参考にして、ぜひ右四間を打ち破ってほしいです。
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