四間飛車穴熊の戦いの花形と言えば、対銀冠や相穴熊ですが、四間穴熊を指すのであれば、対棒銀の対策のしっかりとやっておく必要があります。
24でも、四間穴熊には結構、急戦で対抗する人が多いので。
そこで今回は、四間穴熊対棒銀の定跡をまとめていきます。
基本的に、正しい指し方をすれば四間穴熊側が指しやすくなるので、ぜひ、今後の参考にして下さい。
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四間穴熊VS棒銀の定跡手順
1図からの指し手
▲68銀△91玉▲57銀左△82銀▲37銀△71金▲26銀△43銀(2図)
第1図は、四間穴熊VS棒銀の基本図。
何とでもない局面に見えますが、実は、後手が駒組みで気を付けないといけないポイントが、2つあります。
- 金は41の地点に保留
- すぐに△43銀とせずに、32に銀を保留
金を41に保留するのは、場合によっては金を右辺の守りに利かせよう、と言う狙いがあります。
また、すぐに△43銀と指さないのは、もし、先手が▲45歩早仕掛けや斜め棒銀の戦法をしてきた時に、▲45歩からの反撃をより厳しくするためです。
ですが、今回は先手は棒銀なので、▲26銀と指した後に△43銀とすることになります。
2図からの指し手
▲35歩△32飛▲38飛△22角(3図)
▲35歩に△35同歩は▲同銀で、先手にあっさりと2筋を突破されてしまいます。
なので、「敵の攻める筋に飛車を振れ」の振り飛車のセオリー通りに、飛車を3筋に振って対抗します。
△22角とした局面では、先手には
- ▲34歩
- ▲46歩
と言う2通りの手が考えられます。
まずは、▲34歩から説明していきます。
▲34歩からの指し手
3図からの指し手A
▲34歩△同銀▲33歩△同飛▲44角△43銀▲33角成△同角▲66銀△27角▲28飛△45角成(4図)
この手順は、普通の四間飛車でもよく見かける手順ですね。
後手の陣形は飛車打ちに強く、先手の陣形は角打ちに弱いので、後手としてはとにかく大駒が捌ければ、有利に立ちやすい局面になっています。
4図以下は、△44馬~△66馬と強引に攻めていけば、自然と有利を拡大できるでしょう。
馬と銀の交換で勿体ないように感じますが、後手陣は当分攻められる事はないので、とにかく攻めが繋がればOKです。
▲46歩からの指し手
先ほどは3図で▲34歩とした展開を解説しましたが、今度は▲46歩とした時の展開を考えていきます。
▲34歩の時は、先手は飛車と銀で攻めていた感じがありましたが、▲46歩とする事で、角も攻めに参加させようと言う狙いがあります。
3図からの指し手B
▲46歩△42金▲45歩△33金(5図)
▲46歩が角を攻めに参加させる狙いを秘めた手。
しかし、後手は△42金~△33金とすぐの角交換を防ぎつつ、金の力で先手の攻めをブロックしようとします。
これが後手が41に金を保留していた狙いで、もし、△52金とか指していたら、1手損になっていますね。
5図からの指し手
▲34歩△同銀▲44歩△同金▲45歩△43金▲22角成△同飛▲35銀(6図)
▲34歩に△同金は、▲44歩△同銀▲24歩が厳しいです。
その後は、有名な定跡手順が続き、6図に行きつきます。
6図以下の指し手
△35同銀▲同飛△34歩▲36飛△33桂▲77角△42飛(7図)
6図以下では、△45銀と銀交換を避ける手も考えられますが、以下、▲44銀△同金▲31飛成△33角▲32角とされて後手不利。
先手は強引に攻めてきていますが、後手の駒が捌けていないので十分戦えているのです。
なので、6図では銀交換をした後に、ガッチリと守りを固めるのが正解です。
先手はパッと見、攻めはないですが、後手は△28角から香や桂を取ったり、先手の飛車をいじめたりと攻めに困りません。
パッと見、7図では▲31銀とかが気になりますが、以下は、△41飛▲44歩△同金▲42歩△31飛▲44角△35銀で、逆に先手の方がダメージを受けています。
また、7図で▲44銀なども、△45桂▲43銀成△同飛で、逆に後手の駒が捌けています。