将棋の本やテレビの解説が難しすぎて、全然理解ができない。
将棋は頭脳スポーツでもあるので、初心者の人にとっては、はじめの取りかかりでつまづく人も多いでしょう。
しかし、将棋には「棋譜」と呼ばれる便利なものがあり、それさえ理解すれば、将棋の面白さが今よりも何倍も広がっていきます。
そこで今回は、将棋の棋譜の読み方を初心者でも理解できるように説明していきます。
ぜひ、参考にして下さい。
棋譜とは何か?
棋譜とは、どの種類の駒が、どこの位置に移動したのかを表すものです。
この棋譜によって、将棋の本に書かれていることを理解できたり、プロ同士の対局を、自分の家に置いてある将棋盤で再現することが可能になります。
つまり、棋譜を読むことは、将棋の上達に欠かせないツールなのです。
棋譜の読み方:基礎編
将棋盤は、全部で8×8の81マスありますが、実はそれぞれのマスには番号が当てられています。
上図のように、タテの列を右から1,2,3、・・9と算用数字で表し、横の列を上から一、二、三・・・九と漢数字で表して、マスの番号を決めています。
具体例を示すと、上図の赤色で塗られた部分は、「7五」の地点だと言えます。
実際に駒の動きを棋譜で読み取ろう
上図から、飛車の前にある歩を1マス前に動かしたとします。
最初の方で述べたように、棋譜は「どの種類の駒が、どの位置に移動したかを表すもの」と言いました。
上図では、「歩」が「2六」の地点に移動したと言うことですから、棋譜で表すと、
▲2六歩
と表します。
▲は先手(先攻)が駒を動かしたという意味。
2六は、駒が移動した場所。
歩は、動かした駒の種類を表しています。
ちなみに、棋譜での駒の名前は、飛車であれば「飛」、王様であれば「玉」のように頭文字1字で表します。
棋譜の読み方:駒が成った時
今度は、駒が成った時の棋譜の読み方を紹介します。
現在、「2六」にいる飛車を「2三」の地点に動かして成らす時は、
▲23飛成
と表します。
もし、飛車を成らさない場合は、「▲2三飛不成」と表します。
(「不成」は(ならず)と読みます。
上図では、飛車が成っている時に相手の歩を取っていますが、棋譜では、相手の駒を取ったということを、わざわざ表しません。
棋譜の読み方:応用編
今まで紹介してきた棋譜の読み方は、案外簡単だったかもしれませんが、これから紹介する棋譜の読み方は少しややこしいです。
しかし、慣れれば簡単なので、少し我慢をして覚えていきましょう。
棋譜の読み方がややこしくなるのは、上図の様な時です。
金で飛車を取る時には、「▲5三金」と表しますが、これでは4つの金の内、どの金で飛車を取ったのかが分かりません。
そこで、どの金を動かしたのかを分かるようにするためには、以下のように表記します。
- 右の金を動かした時・・・▲5三金右
- 左の金を動かした時・・・▲5三金左
- 上の金を動かした時・・・▲5三金引
- 下の金を動かした時・・・▲5三金直
これはややこしいので、何回も実際に棋譜を並べてみて、覚えていくしかないでしょう。
補足:後手の駒の動きを棋譜で表す時
後手(後攻)の駒の動きを表す時は、基本的には先手の場合と同じで、「▲2六歩」と表していたのを「△2六歩」と表せば良いだけです。
しかし、先程説明したような、どの金を動かしたのかを区別するためには、少し特殊な表し方になります。
この場面では先程の説明の通りにいけば、後手が右側の金で飛車を取る時は、「△5二金右」と表せば良いように思えますが、これは間違えです。
この図のように、どの金を動かしたかを表す時だけ、後手の視点から見て、どの金を動かしたのかを考える必要があります。
上の例で言うと、先手側から見ると、「4一」にいる金は右側にいますが、後手の視点から見ると左側の金になりますよね。
△52金左
となるわけです。
まとめ
棋譜の並べ方をマスターするためには、ただ説明を聞いて終わりとするのではなく、実際に自分の力で何度も棋譜を並べていく必要があります。
はじめはきついかもしれませんが、慣れてくると、小学校で習った掛け算のように簡単になるので、ぜひ頑張って覚えて下さい。