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現在までの脇システムの定跡とボクなりの研究をまとめてみた

   

脇システム 定跡

第2回電王戦の最終戦、三浦八段対GPS将棋で「脇システム」が使われたことで、一気に人気に火が付いた気がしています。

ですが、脇システムに関する定跡書やプロの棋譜が少なく、「指したいけど指せない」と言う人も多いのも事実です。

そこで今回は、脇システムの現在の基本的な定跡と、ボクなりの研究を交えて紹介していきます。ぜひ、参考にして下さい。

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脇システムの超基本定跡(端攻め形)

脇システムの最大の特徴は、先手の46の角と後手の64の角がお互いを牽制し合っていている所です。どちらかが先に角交換をするか、角交換を拒否するかのタイミングで、後々の展開がガラリと変わります。

まずは、1図を見て下さい。1図からは、お互いに端歩を付き合い、その後、先手は角交換をした後、棒銀で仕掛けます。

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1図からの指し手

▲16歩△94歩▲96歩△14歩▲64角△同銀▲26銀(2図)

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▲64角で△同歩は、63の空間が空いて、角の打ち込む場所ができるし、左銀が攻めに使えなくなるので、当然△64同銀と取っていきます。

1図以下は、先手の▲15歩からの端攻めがありますので、後手としては事前に反撃の準備をしておく必要があります。ここで後手と応手としては、

  • △69角
  • △49角

の2つが考えられます。以下は、それぞれの手順を見ていきましょう。

△69角での戦い

3図では、▲48飛~▲68金右と後手の角を殺しにいく手順もありますが、▲48飛△78角成▲同玉△75歩と先攻されて、面白くありません。なので、ここでは▲15歩と激しく攻めます。

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3図からの指し手

▲15歩△同歩▲同銀△47角成▲24歩△同歩▲12歩△同香▲24銀△同銀▲同飛(4図)

△47角成の所は、単に△15同香が自然で、以下は▲同香△47角成▲13歩という手順もありますが、アマチュア同士では、先手の方が勝ちやすい展開になります。なので、馬の守備力で先手の攻めを防ぐ狙いで、▲15同銀には、△47角成が良いでしょう。

また、▲12歩も良い味を出している手で、先手の香車が後手陣に突っ込んだ時に、王手になるようにした工夫に一手です。

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第4図では、

  • △23銀
  • △23歩

の2通りの手が考えられますが、△23銀は、以下、▲12香成△同玉▲28飛△24歩▲41角△53金としておいて、後は、2筋に香車や銀を使って、数の攻めをしていけば、先手の攻めが続く展開になります。場合によって、▲32角成から▲37金と後手の馬をいじめる手も考えられます。

と言うわけで、後手は△23歩と受けておきます。

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4図からの指し手

△23歩▲12香成△同玉▲28飛△46馬▲37銀△13馬▲41角△22玉▲63角成(5図)

△46馬に対して、▲37銀とするのはもったいないように思えますが、もし、単に飛車を18に逃げるだけでは、△27銀とされて、先手は攻めることができなくなってしまいます。

また、▲41角に対して、△53金とするのは▲84香があり、以下は△42飛▲32角成△同飛▲81香成と、先手に桂と香と金を補充されるので、受け切るのは難しくなります。

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5図からの指し手

△73銀▲41馬△26歩▲同銀△42金引▲51馬(6図)で形勢不明

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ボクとしては、後手持ちなんですが、どちらも手を作っていくのが難しそうな局面になりました。

ここからどのように指せばよいのか、それとも前の局面でもっと良い手はなかったのか、等と研究課題は山積みです。

△49角での戦い

では、2図にぐるりと戻って、後手が△49角と打ち込んだ局面を見ていきましょう。(7図)

△49角と打つと、後手の攻めVS先手の受けという構想になりやすいですが、後手は少々無理攻めっぽいので、先手としては適切に受け切れるかどうかが、カギを握ります。

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7図からの指し手

▲15歩△同歩▲同銀△75歩▲同歩△15香▲同香△69銀(8図)

△75歩の時に、▲24歩などと手抜きして攻め合うのは、後手の角が攻めにかなり効いているので、先手の負けです。そこで、▲75同歩ととっておき、しばらく後手の攻めを受け続けます。

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8図からの指し手

▲68金寄△75銀▲76歩△86歩▲同歩△同銀▲同銀△同飛▲87香△79銀▲77玉△68銀不成▲同飛△67角成▲同飛△87飛成▲同玉(9図)

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9図の局面で、先手は後手の攻めを受け切る事に成功しました。以下は、▲69飛として後手の銀を取れば、かなり安全になりますし、▲11角~▲71飛と攻めて、後手に合い駒を打たせて、攻め駒を少なくしていくのも良いです。

脇システムで後手が攻めるためには

話を1図の局面に戻しましょう。

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今までの解説は、1図から、▲16歩△94歩▲96歩の後に、△14歩と後手が素直に端歩の付き合いに応じた局面を見てきました。数少ない脇システムの定跡書にも、上記の手順を前提に解説されています。

しかし、後手が△14歩とせずに、△46角としてきたら、どうなるんでしょう?その局面が、下の「研究1図」になります。

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以下は、▲同銀△84銀と進む展開が予想されますが、その局面って、先手の脇システムの、玉側の端歩を突いていないバージョンになるわけですよね。(つまり、研究2図とほぼ同じ形)

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もし、後手が「研究1図」のような指し方をしてきたら、玉側の端歩を突いていないことが、どのような影響を及ぼすのかが気になりますね。今後の研究課題になりそうです。

脇システムの知識をさらに深めたい人は、「三浦の矢倉研究 脇システム編」で研究をすると良いです。この本は最初のページから最後まで脇システムについて書かれていないのが欠点ですが、脇システム専門書と言うだけでも読む価値はありました。

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