山田定跡の斜め棒銀&端角の定跡・対策を全てまとめてみた

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山田定跡 定跡と対策

今回は備忘録を兼ねて、四間飛車における山田定跡の対策・定跡を、斜め棒銀・端角に分けて紹介していきます。

プロ間では山田定跡(と言うより四間飛車VS急戦自体)は結構前から廃れている感がありますが、ネット対局をしていると案外見かける戦法なので、これを機に対策を覚えれば、と思います。

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そもそも山田定跡を拒否する手順

山田定跡の手順を掘り下げる前に、そもそも山田定跡を四間飛車側が拒否する方法が存在するので、その手順を紹介していきます。

第1図は、四間飛車VS居飛車急戦の基本図。

四間飛車VS居飛車の基本図

ここで後手が△54歩とすれば、▲35歩~▲46銀の斜め棒銀と▲97角~▲79角~▲66銀の引き角戦法のどちらかを、山田定跡側が選べるのですが、後手が△43銀(A図)とするだけで山田定跡の可能性がほぼゼロになります


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A図以下の指し手

▲35歩△同歩▲46銀△34銀▲38飛△45歩▲33角成△同桂▲35銀△同銀▲34歩△44角▲33歩成△同角▲35飛△99角成(A-2図)

A図以下は手順は長いものの、要は先手に無理攻めをさせておいて、角交換~△44角と言う四間飛車お得意の形でカウンターをしています。

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A-2図で、▲31飛成は△88銀から攻めていけば良いし、▲77角と馬を消しに来るのは△同馬▲同玉△32香▲33銀△44銀▲42銀成△同金から先手の飛車を取りに行けば良いです

上の例では1図での△43銀の手に対して、斜め棒銀型の山田定跡で行きましたが、もし、先手が山田定跡の端角戦法を指そうとしても、そもそも後手が△54歩と歩を突いていないので通用しません。

こうした事情があるから、1図で△43銀と指した時は、居飛車側は山田定跡を諦めて、棒銀や45歩早仕掛けに組むことが多いです。

もし、四間飛車を指す時に、ボクみたいに「山田定跡めんどくせー」と思っている人は、1図で△43銀とするだけで山田定跡対策は完了したも同然です。

山田定跡が通用する定跡手順

しかし、1図で後手が△43銀ではなく、△54歩・△64歩・△12香などの他の手を指した場合は、山田定跡が使えます。

今回は、1図で△54歩(2図)と指した時の定跡を見ていきましょう。

54歩に山田定跡

山田定跡・端角戦法の定跡手順

2図からの指し手①

▲97角△41飛▲79角△43銀▲66銀△42飛▲24歩△同歩▲同角△22飛▲25歩(3A図)

この端角戦法の魅力は、▲97角~▲79角と角を端に移動させて△41飛と強要した後に、▲79角と引き直している所にあります。

このような細かい定跡手順には、もはや芸術的な美しさすら感じるほどです。

3A図からは、後手は△45歩から活路を見出していきますが、それに対して先手は2筋からの攻めは難しいので、中央の模様を良くしていきます。

25歩

3A図からの指し手

△45歩▲37桂△44角▲46歩△同歩▲同角(4A図)

△44角には▲45桂と言う手もありそうですが、そんなに急がなくても良い局面ですし、早々に桂を跳ねてしまうと、跳ねた桂が負担になりそうなのが怖いところ。

なので、▲46歩△同歩▲同角とあくまでも模様を良くしていく感じで、指すのが良いかと思います。

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4A図からの指し手

△33桂▲45歩△62角▲88玉(5A図)

しかし、先手は△62角と冷静に角を引かれた後の指し手が悩ましいところです。

例えば、▲55歩と中央から攻めていくのは、後手に△26歩と歩を垂らされるのが気持ちが悪いですね。

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なので、先手は△62角に▲88玉と玉の戦場から遠ざけつつ後手の出方を見ることになりますが、以下△35歩▲47銀△34銀(6A図)みたいな展開が予想されます。

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6A図では、まだまだこれからの勝負ですが、後手の方が押している印象を受けますね。

こんな展開になるようだと、わざわざ端角戦法を指す必要性もないでしょう

山田定跡・斜め棒銀の定跡手順

今度は、2図で▲35歩と斜め棒銀で攻める山田定跡の定跡手順を見ていきます。

54歩に山田定跡

2図からの指し手②

▲35歩△同歩▲46銀△36歩▲35銀△45歩(3B図)

山田定跡といったらコレだろ」と言ってもいいぐらい、超有名な定跡手順。

▲46銀に対して△36歩としていますが、この手の狙いは以下の2つがあります。

  • 1歩得を主張する
  • 3筋からの逆襲&△64角のような角のラインを使った攻めの威力UP

斜め棒銀

3B図では、▲66歩や▲33角成と手が考えられますが、まずは▲66歩から見ていきましょう。

3B図で▲66歩からの指し手

▲66歩△55歩▲24歩△同歩▲同銀△44角▲23銀成△27歩▲同飛△26歩▲32成銀△同飛(4B図)

▲66歩は、振り飛車の角交換の狙いを外した手ですが、居飛車が一番やってはいけない手です。

なぜなら、▲66歩と角道を塞ぐことは自分の角が全く機能できず、逆に相手の角がめちゃめちゃ活躍しまくる展開になりやすいからです。

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本譜でも△44角と絶好の場所に角を移動されて、2筋を突破したと思ったら逆にピンチになっていますよね。

かと言って、△55歩の時に何もしなければ△56歩と拠点を作られて、終盤で大きな借金を残すことになります。

 

3B図で▲33角成(5B図)からの指し手

▲66歩ではボロボロだったので、3B図では▲33角成と真っ向勝負に出るのが基本です。

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△33同銀▲26飛△64角▲24歩△同歩▲36飛(6B図)

△33同銀に▲26飛とするのは、先に△64角が飛車に当たるのを受けておこう、と言う手ですね。

先に▲24歩として△64角▲26飛としても、同局面になります。

また、△24同歩に▲36飛と飛車を寄っていますが、代わりに▲24同銀とするのは、以下△25歩▲同飛△34銀でハッキリと負けです。

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6B図からの指し手

△19角成▲34歩△22銀▲24銀△46歩▲33歩成△同銀▲同銀△同桂▲同飛成△32香(7B図)

先手は果敢に攻めていきますが、やはり△19角成り~4筋逆襲が厳しい。

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7B図で、▲23竜と避けるのは△47歩成▲同金△46歩の攻めが単純だけど厳しすぎるし、かと言って▲42竜から飛車交換をするのは、玉形の堅さや駒の効率が後手に分があるのでダメです。

このように、四間飛車側に適切な対処をされると、どうしても山田定跡側は上手くいかない、と言う形になっています。

これが、プロ間でも廃れた原因でもあるでしょうね。

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