石田流対策|勝率3割だったボクが6割まで上げた左美濃作戦

   

石田流 対策

相手が石田流をしてきたら、序盤から何もできずにボコボコにされてしまう、と言う人も多いのではないでしょうか?

ボク自身は居飛車党なのですが、24やウォーズで相手が▲75歩と指した瞬間に「この将棋負けたわ」と思うほど、石田流を大の苦手としていました。

しかし、最近石田流に対して本やネットで真剣に研究をした所、石田流に対して苦手意識が無くなってきたし、何よりも勝てるようになったので、今回は石田流の対策をシェアしていきます。

ぜひ、参考にして下さい。

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石田流対策には左美濃が良さげ

石田流の対策は、今まで「棒金」「角交換型」「居飛穴」「右四間」と様々な方法が編み出されています。

そして、今回紹介するのは「32銀型左美濃」です。ボクも「これが最強の石田流対策なんじゃないかな」と思っていますし、プロ間でも数多くの勝ち星を稼いでいる戦法です。

しかし、一言で「左美濃」と言っても、石田流側が▲77桂型なのか▲77角型なのかで全く違う展開になるし、本当にちょっとした変化(▲98香と香車を1マス上げただけ)でも形勢が変わるほど、石田流は意外にシビアな戦法です。

なので、まず最初に石田流対策の超基本の定跡手順を紹介していき、そこから細かい変化を見ていこうと思います。

まずは、以下の2つのポイントを必ず抑えておきましょう。

1、4手目に△42玉と指す

石田流の序盤は、▲76歩△34歩▲75歩と言う進行になりますが、4手目に△42玉(1図)と玉を上がるのが、強くオススメしたい指し方です。

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今回紹介する左美濃作戦は、▲66歩と石田流が角道を止めてくれないとできない戦法で、この△42玉は▲66歩を強要している意味があるんですね。

変化:1図で▲78飛とした場合

ですが、先手が「それでも角道オープンの石田流を使うぜ」と1図で▲78飛(変化A図)と指してくる可能性もあります。

以下は△88角成▲同銀△45角から乱戦の展開になるのですが、そこまで先手がハッキリと良くなる変化ではなく、アマ同士だと後手が勝ちやすい展開になるので、1図で▲78飛はネット対局ではあまり見ません。

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ただ、もし▲78飛としてきたら以下のような手順になります。

変化A図からの指し手

△88角成▲同銀△45角▲58玉△27角成▲55角△33桂▲74歩△同歩▲同飛△92飛(変化A-1図)

変化A図以下は、後手は角交換からの△45角と両成りを目指しますが、先手は▲55角から反撃。ここで△33桂と角成りを防げるのが、△42玉の効果です。

手順中、▲74歩△同歩に▲82角成と飛車を取りたい気持ちもありますが、この局面では飛車よりも角の打ち場所の方が多く、角の方が活躍しやすいので、あまり良い手ではありません。

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変化A-1図からの指し手

▲34飛△32金▲36歩△54歩▲77角△52飛(変化A-2図)

先手は7筋からの攻めがこれ以上パッとしないので、今度は3筋に目を付けますが、△32金と冷静に対応すればOKです。

先手は▲36歩と後手の馬を封じ込めようとしますが、△54歩が良い切り返し(▲同飛は△36馬で馬が復活する)。

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変化A-2図を見れば分かるように、△42玉に▲78飛と指す変化は、思った以上に先手がパッとしない変化なんですね。

なので、アマはもちろん、プロでも最近はこの変化を避ける傾向があり、△42玉には▲66歩と石田流本組を目指す手順が圧倒的に多いのも、以上の様な理由があるからです。

2、△63銀+△32銀型左美濃を目指す

先ほど見たように、▲78飛だとダメだったので、先手は▲66歩(2図)と指してきます。

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2図以下の指し手

△62銀▲78飛△64歩▲48玉△63銀▲38銀△32銀▲39玉△31玉▲68銀△52金右▲67銀△84歩▲28玉△33角▲56銀△24歩(3図)

2図からは、一直線の駒組み合戦ですね。気を付けるべき点と言うと、以下の3つが挙げられます。

  • 早く△63銀型を作る
  • 左美濃は△32銀~△31玉のルートで作る
  • ▲56銀には△24歩

要は、先手の仕掛けを未然に防いで、安心して左美濃に組めるような工夫をしている、と言うだけです。

下の3図を見れば分かるように、△63銀は7筋の攻めをケアしていて、△32銀~△24歩と言うのは、銀冠への組み換えを見せつつ、先手が▲56銀~▲45銀と角頭を狙った時に△23銀の受けを用意するためです。

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3図以下の指し手

▲58金左△14歩▲16歩△22玉▲76飛△85歩(4図)

4図までが、石田流本組VS左美濃の大体の進行になります。

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4図で先手に考えられる手順は

  • ▲96歩~▲77桂の77桂型
  • ▲77角の77角型

の2つがあります。以下は、2つの対策をそれぞれ見ていきましょう。

石田流77桂型の対策法

4図から、数手進めてみます。

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4図からの指し手

▲96歩△94歩▲77桂△23銀▲97角△32金(5図)

石田流と言えば、この77桂と97角の駒組みが一番有名ですし、長い間、プロアマ問わずこの形が好まれてきました。

しかし、居飛車側の対策が進み、現在では▲77桂型の石田流は面白くないとの結論に至っています。ここでは、その居飛車側の対策を見ていきます。

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5図で先手の手として考えられるのは、

  • ▲65歩
  • ▲46歩
  • ▲98香

の3つです。まずは、▲65歩から見ていきます。

5図で▲65歩とした場合

下の5A-1図は、先手が▲65歩とした局面。

後手は、まず素直に歩交換に応じ、そこから△62飛と6筋からのカウンターを狙います。

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5A-1図からの指し手

△65同歩▲同銀△62飛▲74歩△同銀(5A-2図)

▲74歩の所で▲64歩と打つのは、以下△64同銀▲同銀△同飛▲65銀△77角成▲同飛△65飛で後手優勢です。

なので、先手は▲74歩と攻めてきますが、この歩を銀で取るのが正解で、△74同歩と取ってしまうと、今度は先手の角が6筋に利いているので、▲64歩がピッタリになります。

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5A-2図からの指し手

▲64歩△77角成▲同飛△65銀▲75飛△74銀(5A-3図)

▲64歩に代えて▲74同銀と突っ込みたい所ですが、この攻めは無理筋です。

以下、△69飛成▲65銀△99竜▲64角△63歩▲75角△74香と言う手が考えられ、これは後手優勢でしょう。

なので、▲64歩と我慢をしますが、後手はすかさず角切りから強襲を仕掛けて、一気に優勢を築こうとします。

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5A-3図からの指し手

▲74同飛△同歩▲41銀△15歩▲52銀成△同飛▲63歩成△92飛▲53と△16歩▲18歩△66歩(5A-4図)

5A-3図の局面で飛車を逃げるようでは、△95歩とか△66歩から攻められてジリ貧になりそうなので、先手は思い切って▲74飛から飛車を切ります。

その後の展開としては、△15歩から端でポイントを稼いだ後に、△66歩から攻めると言う美濃崩しのセオリー通りに攻めます。

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5A-4図では、次に△67歩成▲同金△69飛と言う厳しい手が後手にあるし、1筋でポイントを稼いだおかげで後手玉が広いので、後手有利な局面です。

5図で▲46歩とした場合

▲65歩ではダメだったので、今度は5図で▲46歩と玉の囲いに手を加える手順を調べていきます。

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5B-1図では、後手は△92飛と先手を揺さぶります。(5B-2図)

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5B-2図で、先手が▲36歩みたいな手をしてくれば、△95歩▲同歩△同飛▲96歩△同飛▲同飛△同香となって、「後手が香得+後手の香が先手の角に当たっている」ので、後手有利。

もし、▲65歩なら、△同歩▲同銀△62飛で先ほど紹介した「5図で▲65歩とした場合」とほぼ同一局面になり、これも後手有利。

問題は5B-1図で▲85桂と桂を跳ねられたときですが、この手に対しては、△82飛▲86歩△84飛から、先手の桂を負担にしつつ、△54歩~△55歩~△53金と中央を厚くする指し方をすれば、自然と有利を築けます。

この▲85桂からの後手の指し回しは、2006年7月10日に行われた「竜王戦 鈴木大介VS松尾歩」の棋譜が非常に参考になります。鈴木8段の石田流を松尾7段が、中央から金を進出させて見事に先手のさばきを抑えての勝利でした。

5図で▲98香とした場合

77桂型石田流の最後の砦は、5図で▲98香(5C-1図)とした場合です。

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一見狙いがイミフですが、上記で紹介した5A-2図を振り返えると、その狙いがハッキリと分かります。

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この局面では、▲74同銀と取るのは数手後に△99竜と香を取られて、先手が失敗でした。なので、5A-2図では、仕方なく▲64歩と我慢しましたよね。(まあ、これもダメだったんですが)

しかし、もし5A-2図の局面で▲98香と言う手が入っていれば、形勢が全然違ってきます。

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上図から▲74同銀△69飛成▲65銀とした時に、すぐに後手が△99竜と先手の香を取れないと言うのが、先手の▲98香の狙いです。

▲98香のおかげで先手が1手余裕が生まれて、攻めに専念できるのが大きいのです。これはさすがに、後手が不味いです。

2015-10-16j▲98香にはどう指すべきか?

では、▲98香にはどのようにすれば良いのか?それは、▲98香に△84飛とするのが定跡手順になっています。

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5C-2図からの指し手

▲65歩△同歩▲同銀△95歩▲74歩△同歩▲64歩△54銀▲同銀△同歩(5C-3図)

5C-2図以下、先手は▲65歩からいつもの通りに仕掛けます。

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5C-3図からの指し手

▲63銀△96歩▲74銀成△94飛▲88角△62歩(5Cー4図)

▲63銀から攻めをつないできますが、△96歩と強く取り込むのが好手です。確かに▲52銀成と金をタダで取られるのは怖いですが、何よりも先手の角を取りつつ、先手飛車がほぼニートになっているので問題ありません。

最後は△62歩とガッチリ受けて、後手が有利です。あとで、△97歩成▲同香△96歩▲同香△同飛からの飛車交換&香得の手順が楽しみです。

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石田流77角の対策法

先ほどまでは、石田流が77桂の形を作った時の対策法を紹介してきました。77桂だと、いずれの戦いも居飛車に不満がありませんでした。

そこで先手は、▲77桂に代えて▲77角(6図)と言う構えを見せてくるようになってきました。

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この▲77角の狙いは、▲65歩と攻めた時についでに角も捌いてしまおう、と言う狙いがあり、後手は6図で△54歩(7図)としておいて、先手の攻めに備えるのが定跡です。

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7図で最も考えられる手は、

  • ▲65歩
  • ▲45銀

の2つです。以下は、それぞれの手順を見ていきましょう。

7図で▲65歩とした場合

まずは、石田流の攻撃のセオリーとも言える▲65歩を見ていきます。

この▲65歩に対しては、77桂型の場合△同歩▲同銀△62飛から6筋の逆襲を狙っていましたが、77角の場合は上手くいきません。

しかし、今度は▲65歩に△84飛と飛車を浮いて受けるのが上手い手で、これで先手の攻めを受けることができます。

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7A-1図からの指し手

△84飛▲74歩△同歩▲33角成△同桂▲66角△75角▲同角△同歩▲同飛△74銀▲78飛△75歩(7A-2図)

△84飛に▲64歩は、以下△同飛▲65歩△84飛で後手に不満はありません。こうなれば、先手の銀が使いにくいし、後手飛車の横がスッキリとしていますね。

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後手は先手の攻めを丁寧に丁寧に受けて、先手飛車を78に帰します。こういう抑え込みの展開に入れば、大体居飛車が優勢になることが多く、7A-2図以下は▲64歩△86歩▲同歩△同飛と指せば良いです。

参考棋譜:久保利明 vs 豊島将之 2011-02-18 王将戦

7図で▲45銀とした場合

7図では▲45銀(7B-1図)と言う手も考えられます。この手の狙いは、後手の陣形を乱してから▲65歩から決戦しようという狙いがあります。

2015-10-17e

この▲45銀に対して、一時期は△23銀と受ける手もありました。

しかし、居飛車側が防戦一方になる展開が多く、よほど腕に自信がない(特に終盤力)と指せないような、指し回しばかりがプロの対局で目立っています。

例えば、「2011年の竜王戦 久保和明VS丸山忠久」の一戦では、7B-1図以下、△23銀▲65歩△同歩▲74歩△同歩▲56飛△66歩と言う展開になり、やがて7B-2図の様な局面になります。

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ここから先手の猛攻VS後手の受け&カウンタ―と言う展開になりますが、持ち時間の短いアマの対戦だと、後手が受けるのはよほどの研究量と終盤力が必要になってきます。結果は後手勝ち。

参考記事:久保利明 vs 丸山忠久 2011-09-12 竜王戦

ちなみに、▲45銀△23銀▲65歩の時に△同歩ではなく、△77角成▲同桂△78角と言う手も考えられますが、これは以下、▲74歩△同歩▲56飛とされて意外にも大したことがありません。

それと、「2011年順位戦 久保和明VS谷川浩司」でも、久保さんが▲45銀から仕掛けて、やはり先手の攻めが目立つ展開になっています(7B-3図)。結果は後手勝ち。

2015-10-17i

参考棋譜:久保利明 vs 谷川浩司 2011-09-16 順位戦

このように、どれも難しい将棋になりやすく、▲45銀に△23銀はプロでは後手良しだとしても、アマでは先手良しの様な気がします。

▲45銀には△23玉が良い

そこで△23銀に代えて、△23玉(7B-4図)と天守閣美濃に組み替えるのがオススメの指し方です。

△23玉だと、後手は左美濃の形を崩さずに済むので、先手の猛攻にさらされる心配はありません。

2015-10-17j

△23玉の意外な効果とは?

「△23玉とはどうでも良いから、とにかくいつも通り▲65歩から攻めれば良いだろッ」と思うかもしれませんが、じつは先手の攻めは不発に終わります。

7B-4図以下、▲65歩△77角成▲同桂△78角(7B-5図)と言う返し技があり、後手有利になるんですね。

2015-10-17k

もし、後手が△23玉ではなく△23銀としていると、7B-5図で▲74歩△45角成▲66角の王手飛車を食らってしまいます。この王手飛車を避ける狙いが、△23玉にはあるのです。

7B-4図以下はどんな展開になるのか?

つまり、▲45銀に△23玉とすると、先手の▲65歩を気にしなくて良くなるわけです。

なので、ここからの展開は、先手が▲36銀(7B-6図)と一旦体勢を立て直しに図るのですが、後手は△55歩から5筋の制圧に向かいます

この▲36銀からの棋譜では、「2012年順位戦 菅井竜也VS斎藤慎太郎」の一戦が参考になるので、一例として見ていきます。

2015-10-17l

7B-6図からの指し手

△55歩▲56歩△同歩▲45銀△57歩成▲同金△55歩▲36銀△54銀▲68角△44歩▲46歩△43金▲77桂△22玉▲47金(7B-7図)

5筋を制圧したことで、石田流の方がかなり攻めにくくなっているのが分かると思います。77桂型で紹介した「鈴木VS松尾」戦も松尾7段が中央から力強く金を上がったのが印象的でしたが、石田流には5筋を制圧するのが有力なのかもしれません。

2015-10-17m

この「菅井VS斎藤」戦は一時期は千日手模様になったものの、最後は後手がきっちりと受け切って勝利しています。

参考棋譜:菅井竜也 vs 斎藤慎太郎 2012-11-13 順位戦

まとめ

当初は簡単に石田流の対策を紹介しようと思いましたが、気付いたら6000文字(原稿用紙15枚分)の記事になっていました。

これまで色々な石田流の指し方に対しての対策を紹介しましたが、要は以下の3つが大きなポイントなのかなと思います。

  • ▲65歩には△同歩▲同銀△62飛or△84飛
  • ▲45銀には△23玉
  • 5筋の位は余裕があれば取っておく

理想を言えば、石田流の定跡を理解して覚えるのが一番ですが、この3つのポイントを抑えるだけでも、石田さんに瞬殺されることは無くなります。

また、もっと石田流対策の理解を深めたい場合は、以下の書籍を読めばよいかと。

どちらも細かい変化が書かれており、対石田流の対局は大体この2冊の内、どれかの局面になることが多いです。

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