横歩取りの後手で、たまーに45角戦法を使ってくる人がいるので、知識が残っている今の内に、45角戦法の対策をまとめておきます。
基本的に、45角戦法は先手有利と言われている戦法なので、これで45角対策はバッチリでしょう。
45角戦法の基本をおさらい
45角戦法とは、横歩取りの後手番の戦法で、奇襲要素の強い攻撃的な戦法です。
具体的には、1図からは以下の様に進行していきます。
1図以下の指し手
△88角成▲同銀△28歩▲同銀△45角▲24飛(2図)
45角戦法では、必ず2図のような局面になると考えてよいです。
- △67角成
- △23歩
後手がこの2つの内、どちらかを指すかによって、先手の今後の指し方も変わってきます。
以下は、それぞれの手順を見ていきます。
△67角成とした場合
結論から言うと、△67角成は完全な無理攻めです。
駒割りだけを見ると、先手は角と歩2枚、後手は銀だけ(数手後)と先手が圧倒しているので、先手としては後手の無理攻めを冷静に対処していけばOKです。
3図以下の指し手
▲67同金△88飛成▲21飛成△89竜▲69歩(4図)
4図の局面では、早くも後手は苦しくなっています。
例えば、4図で△99竜だと、以下▲31竜△同金▲33角と王手飛車で試合終了だし、ゆっくりしていると、▲24桂という先手の単純だが強烈な攻めが待っています。
つまり、後手は先手の▲31竜~▲33角の筋を気にしつつ、攻め続けなければいけません。
4図以下の指し手
△55桂▲68金△67銀▲58金左(5図)
最後の▲58金左が好手。
▲58金左には、今まで遊んでいた右金を守りに参加させようと言う狙いがあります。
5図以下の指し手
△78竜▲68桂△58銀成▲同金△67桂成▲45角(6図)
5図以下の手順中、△67桂成に代えて△67金も考えられますが、以下、▲56銀△58金▲同玉△67金▲59玉としておけば、安全です。
また、5図では△58銀成も考えられますが、以下▲58同金△67金▲48金としておけば大丈夫です。
後は、後手の攻めをかわしつつ、▲24桂を狙えばOKです。
6図は、もちろん先手優勢です。
後手には有効な攻めがないですし、先手には▲24桂などの攻めに困りません。
△23歩とした場合
今度は、2図で△23歩とした時の解説です。
下の7図では、もちろん先手は飛車を引かずに、そのまま攻め合いに踏み切ります。
7図以下の指し手
▲77角△88飛成▲同角△24歩▲11角成(8図)
8図までは1本道ですが、8図からはめちゃめちゃ変化が多く、1冊の本が出来上がるレベルの変化の数があります。
なので、今回は最善手の手順を紹介していきます。
8図以下の指し手
△33桂▲36香△66銀▲33香成△67銀成▲32成香△78成銀▲31成香(9図)
8図では、先手の馬の働きを失くす△33桂が最善。
しかし、逆に先手は33の桂を目標に攻めていきます。
後手としても、いつまでも守るわけにはいかないので、△66銀から攻め合いに出ます。
9図以下の指し手
△67角成▲33馬△62玉▲22飛△52金▲48玉(10図)
9図からは、ある程度攻めておいてから、▲48玉と早逃げします。
▲48玉の狙いは、△69飛~△49飛成の詰めろを消すことにあります。
10図以下の指し手
△68成銀▲39金打△78飛▲38玉△58成銀▲同金△同馬▲48桂(11図)
10図以下の先手の指し方は、守りの好手ばかりです。
全ての手が、1手前に後手の攻めを受けており、どんどん後手の攻めが細くなっていきます。
11図では、先手は▲41銀の厳しい攻めが残っていますし、後手はこれ以上先手に厳しく迫れません。
よって、11図では先手優勢です。