By: Berit Watkin
トーマスです。
最近、後手番の時に角交換四間飛車ばっかり指しているのですが、その時に相手が角道を開けずに『鳥刺し戦法』を指してくる場合があります。
ちょっと鳥刺しの受け方に困ってて色々調べた所、受け方を知っていれば案外楽勝だな、と思ったので記事に書いていきます。
鳥刺し戦法とは?
鳥刺し戦法とは、居飛車の対振り飛車戦法の1つ。
下の図の様に角道を開けずに『左斜め棒銀+引き角』と言う攻撃態勢を作るのが狙いで、受け方を知らなければボロ負けをしてしまう恐ろしい戦法でもあります。
実力13段とか「棋聖」と恐れられていた天野宗歩の実戦譜にも登場しており、結構歴史が古い戦法でもあります。
鳥刺しの対策・受け方
鳥刺しを指された場合でも、四間飛車側が特別な駒組みをしません。
1図からは普通通りに美濃囲いを目指していき、△44歩~△43銀と斜め棒銀に対する受けを用意していきます。
1図からの指し手
▲57銀左△72銀▲36歩△44歩▲46銀△43銀▲79角△52金右▲96歩△94歩(2図)
2図では先手は▲88玉とか▲59金右のように駒組みを進める手も考えられますが、この場合は後手も△64歩とか△54歩と駒組みを進めて不満はありません。
なので、先手は2図で▲35歩から仕掛けますが、「敵の攻める筋に飛車を振れ」のセオリー通りに△32飛から応戦します。
2図からの指し手
▲35歩△32飛▲34歩△同銀▲35歩△43銀▲37銀(3図)
▲35歩の代わりに▲38飛とするのは、△15角から角を活用して後手有利。
▲35歩には△同歩とせず△32飛とするのが、振り飛車らしい一手。
ノーマル振り飛車をする場合は、居飛車の攻めの銀を簡単に5段目に進ませないようにするのがポイントです。
そのおかげで3図まで進んでみると、先手の角がなかなか使えていませんね。
3図以下の指し手
△54歩▲36銀△51角(4図)
4図までくれば、通常の四間飛車VS急戦の形にほぼ近い局面になりました。
先手は4図で攻める手順がないので、すでに後手ペースだと言えます。
4図以下は、△64歩~△74歩と駒組みを進めたり、△53金から中央を狙いに行くのも良い手です。
先手の角が88にいないし金銀の動きが遅れている感があるので、中央から盛り上がるのが意外と厳しかったりするのです。
鳥刺し戦法でちょっと気になる変化手順
鳥刺し戦法の対策の流れをザッと説明していきましたが、少し気になる変化手順があったので紹介。
上記の説明では2図で▲35歩△32飛▲34歩△同銀▲35歩と攻めましたが、今度は最後の▲35歩に代えて▲35銀(変化1図)とぶつけるとどうなるかを検討していきます。
変化1図以下の指し手
△35同銀▲同角△43金▲24歩△42角(変化2図)
銀交換後の△43金は良く出てくる手筋。
金の力で居飛車の攻めを抑えようと言う狙いです。
そこで▲24歩と突いてきますが、△42角と引いて先手の角を狙いに定めます。
変化2図からの指し手
▲57角△24歩▲同角△22飛▲42角成△28飛成▲43馬△29龍▲39歩△52銀(変化3図)
△22飛の時に▲25歩と打つのは△33桂と桂を飛ばれて、先手の角が身動きが取れなくなってしまいます。
なので、△22飛の時には▲42角成と決戦に行くのが本筋。
変化3図の局面は、BonanzaとAperyのどちらの評価でもほぼ互角の判断でした。
変化3図以下は▲44馬とするでしょうが、そこからどのように後手が手を作っていくかが勝負の別れどころとなりそうです。